無垢の木と左官使いの里山のような集合住宅



茄子紺四角ボタン小田原集合住宅はくれん舎実施設計担当

村山建築設計事務所/竹沢孝浩
コミュニティとは

建築現場にも小さなコミュニティが生まれ、一つの建物を造るという目的で相互に高めあっていく。それは集合住宅に集って
住むという事にも繋がって行きます。「実際今、小田原の集合住宅を作る過程でコミュニティが生まれていますが、なんらか
のコミュニティを集合住宅で形成するという考え方がありますよね。確かにそれは今の世の中で言うと、「嫌」という人もい
ると思うんですよ。「近所つきあいなんて面倒くさい。」と思っている人もいると思います。でもコミュニティなんて無視し
てダーッと部屋を並べてまるで、鶏がダーッと並んでいるような、逆にそうじゃない集合住宅の形があってもいいんじゃない
のかと、他の建築を見てもそういうのが出てこないので、寂しいなあという感じはありましたね」
集い、住み、ゆるやかなコミュニティが生まれる。そこに住むことにより、何かを得られるような、
独特の文化を発信するカフェのようなコミュニティを持つ集合住宅。そんな効果も建築家は期待しているのかもしれません。

これから自分が作りたい家について

家を造る時、建築家の果たす役割は大きなものを占めます。施主の要望を聞き、その上で予算の管理、工務店、自治体と
のやりとりなどコミュニケーション能力が非常に重要になります。ただデザインをしていればいいのではない、建築家の
八面六臂の活躍があってこそ家は建ちます。日々の仕事を冷静にこなしながら、「自分の思う建築。」について、
真剣に考えている竹沢さんの姿がそこにありました。
「結局、家づくりも効率だけでやってるというのが、よくないのではと思います。均一化されたペターっとした空間よりは、
質感も形でも素材でも、人間にやさしい、建物に入ったときに心休まる空間はいいんじゃないかと思います。すごく力強さも
感じて温かみを感じて、木造は構造を見せることができて美しいですよね」「木材はあったかい材料という感じがするんです
よね、木組みの家というのは、同じ木でも合板よりも無垢の方がいいと思うんですよ、床のフローリングにしても無垢のフロ
ーリングと、合板のフローリングと比べると足に触れた時の感覚も無垢材は足にやさしくて」

素材を正直に使いたい

「材料は本物を使いたいなという気持ちはすごくありますね。張物とか、らしく見えるものというよりも、本物を使った家づくり
ですね。効率だけを追い求めるのではなくて。別に土とか木以外はダメっていう訳じゃないんですよ、金属とかRCとかでも興味は
ありますし、そういうのでもすごく良い表現というのはあると思うんですよね、それにしてもやっぱり正直に素材を使う見せると
いうことをしたいと思っています」
本物の素材が与える人への安心感。効率優先の今の時代、本物を見極める目を持つことは難しいものになってきています。今は豊
富な家づくりの情報に囲まれていますが、施主は家づくりでは素人です。そんな迷いやすい施主を導いてくれるのは本物を見極め
る事ができる目を持つ建築家。それが重要なのではと思いました。「素材を正直に使いたい」そう語る竹沢さんの姿は、普段の穏
やかな竹沢さんと同じように感じられて、またどこか違う静かで熱い印象を持ちました。


      
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