はくれん舎と日々の話し 無垢の木と左官使いの里山のような集合住宅


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はくれん舎想いタイトル オレンジ四角ボタン安らぎのある集合住宅を

家は毎日の疲れを癒してくれる安全でくつろげる場所です。
そんな安らぎのある集合住宅を作ろうと思いました。
その過程で家を形造る木材や森をめぐる今を知りました。
オレンジ四角ボタン木材を輸入に頼る日本

建物を構成している木は森から供給されています。日本は国土の3分の2が森林に覆われている
森林の豊かな国です。 そんな緑の豊かさを感じて昔の人たちは森と暮らしてきました。四季の移ろ
いの中で現れる森の豊かな色彩、ときわ緑、もえぎ色など、 緑色ひとつ取っても様々な表情がある
ことを大切にし、個々に色の名前を付けてきました。 そんな豊かな森の感性を感じ、森からの恵みを
受けてきたそのシステムがうまく循環しなくなってきています。
大きなブランク3 近年、日本の木材は外国産材に押され、消費されなくなってきています。
日本の国の森のほとんどが険しい山の中にあり、木材を切ったり運んだりするのが大変であり、その
木材を流通させるのは資本の大きな会社ではなく、 ひとつの家族単位であることが多く、コスト的に外
国産の木材に負けていく要因となりました。 戦後の復興、高度経済成長期の頃のマイホームブームな
ど、国産の木材だけでは足りなくなり、外国からの安い輸入木材に頼ることになりました。 それ以来日
本では国内でとれた木材よりも外国産材の方が多く流通することになりました。

オレンジ四角ボタン全てはつながっている

日本の森の4割は杉などの人口林で構成されています。安い外国産材に押され、 人が山に入って手
入れをしなくなった木や森は健康に育つことができません。 森の後継者不足などの問題により、人の
手が入らず荒れ果てるばかりです。 森には様々な機能が備わっており、降った雨を貯蔵するタンクの
役割、二酸化炭素を吸収し、温暖化を防ぐ役割などがありますが、 キチンと手入れがされていない森
ではその機能がうまく働かなくなっていきます。 森を伐って木材を消費することは、自然破壊に繋がる
のでは?と思いがちですが、人口林は循環してこそ健康に育ち、 伐った後に新しい苗木を植えれば、
その若い木が成長するために二酸化炭素を沢山吸って温暖化を防ぐ。 それは環境破壊ではなく、環境
を守ることに繋がります。ひとつの環境が健康でなくなると、それをとりまく環境も不健康になっていく。
環境は連鎖していきます。どこかの環境破壊に現れてきます。 今は自分に関係ない。私も以前はそう思っ
ていました。でも、他者(環境)をいたわれないと、いつかは自分に返って来る。 そんな気がしてなりません。
はくれん舎を企画して思ったのは、「全てはつながっている。」という実感です。 森から伐り出され、材木と
なって旅をしてきた木は新たな場所で入居者の方々の気持ちを癒し続けていくと思います。

大きなブランク3 オレンジ四角ボタン里山の風景を残す

はくれん舎の庭は森と都市の中間にある里山をイメージしています。人が利用しやすいように、森という
自然を変化させていったのが里山です。 昔、里山は子どもの遊び場、地域に住んでいる人々の憩いの場
でもありました。 長年暮らしてきた生活の側には里山がありました。 そんな、憩いの場であった里山を感じ、
四季の変化や恵みを感じてもらえる、自然な庭を考えました。

中庭のシンボルとなっている柿の木。当初は東側道路にあったものを移動して中庭に植えなおしました。
はくれん舎を企画している際に建物の基礎に柿の根がかかってしまい、伐採か移動するか、どちらかを
決断することになりました。 建物を建てるために、何十年も生きてきた柿を切ることはできませんでした。
建物と共に、そこに入居する新しい家族の皆さんとこれからの思い出になるような木になって欲しい。
そんな思いで、柿の移動を決断しました。

柿の移動は、根があちこちに入り組んでいた為、作業はほぼ一日かかりましたが、柿という木は緑が
茂っても葉が落ちても風情のある木だと思います。 柿の木はここの土地一体が畑だったころから植えられ
ていたもので、木には苔が生え貫禄がついてきました。
四季の変化やそこで受け取る恵みを感じられる里山の原風景がここにあります。