無垢の木と左官使いの里山のような集合住宅



茄子紺四角ボタン はくれん舎施工

水土社/岩越松男
いい出会いを榎本さん、左官のおかげでさせてもらったかな

「工務店とかは、メーカーに「サンプル持ってこい」の世界だけど、左官だけはサンプル品はないし、
自分で作ってどうですか?の世界だから、設計の先生ともフィフティな関係ができる。」「そういう関
係を持てる人が特に左官を好きでいてくれるから」「下請けだの工務店の親父って感じじゃないから、
そういう意味でいい出会いを榎本さん、左官のおかげでさせてもらったかな?」
「今こうやって建築の仕事一式を請け負って仕事できるのは左官の仕事があったからですね(笑)」

ものづくりの原点を常に感じられるような建築を施主と一緒にやりたい

「土壁やりたいって工務店さんも僕のところに来るし、一般のユーザーさんも来るし、あるとき設計事
務所の先生が「ちょっとなんだけど塗ってくんないかな?」って言われて、「10u」」って。「リフォーム
だ。」と。「じゃあ、そのリフォーム自分にやらせてください。」って言ったら「大工もやるの?」って設計
事務所の先生に驚かれて(笑)「そうですよ。実は僕はなんでもやるんです」(笑)その先生から次
に新築の仕事が入って。左官から繋がっていった。今の仕事の原風景はセルフビルドだけど、いろん
な建築をやっていっても、ものづくりの姿勢ってまちまちじゃないですか、いかに効率良くコストを下げ
て利益を出すかって言う住宅を建てる人もいるし、それはそれお客さんにもメリットがあるし、悪い訳じ
ゃない。僕の場合は、ものづくりを本来は施主自身も自分で建てるという建築を一緒にやりたい。施主
とやりたい。現実には難しいけど、ものづくりの原点を常に感じられるような建築をやりたい。その原風
景を作ったのは榎本新吉さんかな」

葡萄のひとつの房になってるように、デザイナーと職人の関係もそのようにありたい

3坪の丸太小屋の建設から始まったセルフビルド。そこから派生した思いはものづくりの原点を感じる
ことでした。ひとつ信念を持って突き進んで行くと、そこには同じような考えのつくり手や施主が現れ、
最初は枝葉のように細い繋がりだったものが、お互いが感化されて大木のようにひとつにまとまって
行く。それは「あしがら(つくりて)職人の会」として結実していくことになります。「葡萄の房のようにひ
とつひとつ存在しながら、それが繋がって葡萄のひとつの房になってるようにデザイナーと職人の関
係もそのようにありたい。あしがら職人(つくりて)の会もそれを目指して行きたいですね。」
「スローライフを目指せる住宅をやりたいかな。そういうものを目指せるお施主さんと家を造りたい。お施
主さんの生きたかとか暮らし方がその家にフィットしないとね。」

つづく


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