環境の配慮は時代が求めたもの
子ども時代の山田さんは「絵や工作を作るのが大好きな子どもで、自分でもこういうのが得意なのかなあ、手先が器用な
んだ」と自覚していたそうで、それが今に繋がっているのでしょうか。山田さんの造る家はモダンデザインと伝統技術の融
合や、気候風土に根ざした環境共生住宅を得意としています。「時代が必要としているから環境に配慮した住宅が求められ
ていると思ったほうが適当かもしれない」「昭和40年代過ぎに始めた頃は、家を沢山造らなければいけない時代だった。
昔は石膏ボードなんてないから竹の舞を組んで、泥壁を塗って漆喰だとか、半年だとか1年、2年だとか建築工事期間は
長かったんだよ」「だけどそんな時代だと沢山家を造ることができないじゃない。そこで必要になって石膏ボードだとか
合板が出てきたりと必要な時代背景があったんだよ」
もう一度原点に戻って軌道修正しようという過度期なんだと思う
「そういうものが定着してくると、どういうわけだか人間の身体って変化してくるのかね。結局そういうものは接着しなくちゃい
けないじゃない、で、カビが生えるようになったら防カビ剤を撒かなければならないし、それで、腐ったりしないようにホルマリ
ンをつけなくてはならないし、それが空気と酸化してホルムアルデヒドになってきて、昔の人は免疫があったのかあまり反応
しなかったけど、そういうもので包まれる状態になってポツポツと反応してくる人が増えてきちゃってね」「これじゃあ我々なん
の為に家を造るのかやっぱりそこに幸せな家庭を作っていくと考えれば、そんな住宅造りは許されない訳で、もう一度原点に
戻って軌道修正していこうという、そういう今過度期に来ているんだよ。そういう時代が来ているんだよ。」「ベニヤって今は悪
者扱いされてるけど、さっき言ったように必要に迫られて出てきた素材で、耐久性がなくなるけどホルマリンを使わないような
合板作りになってきて、そうすると、今度は耐久性どうなるのかなあとか、また20年ぐらいしたらまた一つの曲がり角がある
んだと思うよ(笑)」
つづく
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